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【釧路・性的虐待訴訟】最高裁で被害者勝訴判決が確定しました! [人身損害賠償について]

【事案の概要】
 以前、札幌高裁判決をご紹介した、釧路・性的虐待訴訟。
3歳から8歳という幼少時に、叔父から性的虐待を受けた被害者が、被害から20年以上を経過した後に、PTSD、解離性障害、うつ病等の重篤な精神的損害を受けたことに対する損害賠償請求訴訟を提起した事件です。
 一審の釧路地裁は、性的虐待の存在、現在の被害との因果関係を認定しながら、民法724条後段の除斥期間が経過しているとして請求を退けました。
 昨年9月、控訴審の札幌高裁は、民法724条後段の除斥期間の起算点を、被害者が30代になってから、うつ病を発症した時期と認定し、被害者勝訴の判決をしました。
 加害者が上告・上告受理申立していましたが、今般、棄却・不受理決定が出て、確定しました。
          
【時系列】
8歳 ① 最後の加害行為(離人症・PTSDは既に発症) 
中学生② 行為の性的な意味に気付く          
高校生③ 摂食障害の発症
18歳 ④ 刑事の公訴時効
20歳 ⑤ 成人
28歳 ⑥ 最後の加害行為から20年の経過
30代 ⑦ 鬱病の発症 
   ⑧ 提訴

【原告のインタビュー】
今日のNHKのインタビューで、原告本人は次のように語っていました。

■最高裁の決定を聞いて、どのように受け止めましたか。
― やっと、自分のことを肯定してあげられる、と思いました。
 30年以上、自分が黙っていれば、なかったことにすれば親族にも迷惑をかけないですむ、と思ってきました。
 もう一人の自分がいつも斜め上にいて、もう一人の自分が辛いことを引き受けてくれて、どっちの自分が本当に生きているんだかわからないような状態で生きてきました。
 が、30代になって、恋愛・結婚・出産などで性に向き合わざるを得なくなり、このままでは生きていけない、というところまで追いつめられました。加害者と向き合わなければ、生きていけないと思いました。
 加害者からは、『謝ってほしいんなら謝ってやる』とか、侮辱するような発言があり、裁判を起こしました。
 今の日本の法制度の中で、私の被害はどう裁かれるのか、加害者はどう裁かれるのか、あるいは、裁かれないのか、知りたいと思って裁判を起こしました。
 釧路地裁で、除斥期間で権利は消滅したと言われましたが、札幌高裁で認められ、最高裁という日本の最高の場所で、裁判官が全員一致で認めてくれたことで、やっと、自分が悪かったんじゃない、加害者が悪いんだと認められ、自分を肯定してあげられる、と思いました。

■時効の停止などを訴えてられますが。
― 私の場合、被害が3歳から8歳の時で、性がなんたるか、どこを触られたら変なんだよ、ということも知らないまま、加害者は警戒心を持たせないように徐々に段階を踏んで進行しました。それが、どういう意味のある行為だったのかを知ったのは中学校の2年生ぐらいでした。
 性的虐待を受けている子どもが、加害者を訴えたいと思っても、未成年の間は、親が訴えてくれなければ、被害を訴えることもできません。その間に、加害者を守る時効が進んでいきます。
 せめて自分の力で訴えることができる二十歳まで、本当は時効自体なくしてほしいですけど、せめて二十歳まで、時効を止めてほしいと思います。

■親告罪であることについてはどうですか。
 刑事事件についても、時効を止めると同時に、非親告罪にして欲しいと思います。
 殺人だったら、被害親告が無くても捜査します。それと同じように、性的虐待や性犯罪を発見したら、被害者が訴えなくても、警察が調べてくれるようにしてほしいです。そうじゃなければ、加害者は何度でも繰り返します。次の被害を生みます。被害が長期間続きます。
 社会が、性犯罪は許さない、というメッセージを出してほしいです。
 非親告罪にすることに反対する被害者がいることも知っています。でも、それは、裁判の制度や、マスコミの報道の仕方にも問題があると思います。被害者が何度も何度も話さなくても良いように司法面接を制度化するなどの工夫をしたり、マスコミの報道で細かい年齢や地域を報道しないように配慮するなど、被害者がプライバシーを暴かれないようにすることで、不安を取り除いていくことが大事なのだと思います。

■社会に対して望むことは。
― 今も、性的虐待の被害に苦しんでいる子たちがいます。
 でも、私が被害を受けていた30年前と、被害を受けている子どもを取り巻く状況は変わっていないように思えます。
 未だ、このまま被害を受けている人を、ほおっておくのですか?
と、政治家の方々や、社会を作っている人たち皆さんに問いたいです。
 このまま30年後、私が70歳代のおばあちゃんになった時にも、何も変わっていない、とならないように、今、被害を受けている人が救われる法制度に抜本的に変えてほしいです。

 性的虐待は、殺人よりも重いと思っています。
 『なぜ、殺してくれなかったんだろう、殺されていれば加害者は捕まるのに、私は人間性や心を殺されたのに、どうして加害者は捕まらないんだろう』と思いながら生きてきました。性的虐待や性犯罪が、どれだけの人の精神をを殺しているのか、刑法・民法含めて、見直していただきたいです。

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