SSブログ

【雑感】武闘派?弁護士の紛争解決方法 [弁護士寺町東子について]

先日、1年の始まりに(というには1月も下旬だけど・・・)、
私自身の昨年1年間の受任事件の傾向を振り返ってみました。

私が代表社員を務める弁護士法人は、
すべての人が、自分の住んでいる町で法的サービスを受けられること、
を目標にしているので、
もちろん、私の講演をお聞きいただいた方や、HPをご覧になった方など、
紹介者のないお客様も多いのですが、
紹介者のあるお客様も大きい割合を占めています。

その紹介元は、
税理士さん、公認会計士さん、行政書士さんからのご紹介はもちろんですが、
意外にも、同業である弁護士からの紹介案件が結構多いのです。

そして、いわゆる「士業」の方々からのご紹介案件は、
キッチリ立証し、闘うべき案件が殆どです。
そういう意味では、「闘う弁護士」、もっと言えば「闘って勝てる弁護士」、との評価を
「士業」の方々から、いただいているものと自惚れておきましょう。

このように、「武闘派」と周囲の弁護士からも自分自身でも認識している私が、
事実の確定において大事にしていることを、ひとつ、ご紹介しておきます。

それは、依頼者の話にせよ、相手方の主張にせよ、
「その話が真実なら必ず存在するであろう証拠」を拾い集める作業です。

なんだそんなことか、と思われるかもしれませんが、
こんなことができていない当事者、こんなことができていない関係者、代理人は
意外と多く見られるところです。
この「その話が真実なら必ず存在するであろう証拠」が何なのかは、
領収書であったり、伝票であったり、日報への記載であったり、レセプトであったり、
具体的には事件により異なるわけですが、
「その話が真実なら必ず存在するであろう証拠」が立証の鍵になる、ということ自体は、
すべての事件に共通するセオリーでもあるわけです。

これを見つけるのに大事なことは、弁護士に相談するような異常事態になる前に、
ルーティンがどこにあったのか、を知ることです。
普段のやり方、普段の様子、普段の記録などに照らしていけば、
「異常事態」は際立って浮き上がってきます。
この「普段のやり方」(=常識と言ってもよいかもしれません)を、どれだけ知っているかは、
嗅覚の前提として、とても大切です。
「弁護士にとって、すべての人生経験は無駄にならない」と言われる所以です。

弁護士のアイデンティティは、
事実を証拠により確定した上で、
法的な観点から「出るところ(裁判所)に出たらどうなるか」を見切り、
それを解決の基準として踏まえながら、解決方法を探ることです。

「足して2で割る」ような、あるいは、「喧嘩両成敗」のような解決はしません。
あるいは、
「出るところに出たらどうなるか」の基準に照らして、
勝ちすぎる解決も、社会正義の観点からは、良い解決とはいえないでしょう。

近江商人の「三方良し」※ではありませんが、
双方の当事者が納得し、社会正義にも適う解決が、弁護士の目指すべきところでしょう。


※ 三方良し
「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。
売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるということ。
近江商人の心得。
(デジタル大辞泉より http://kotobank.jp/
nice!(0) 

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。