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【2014年の振り返り】「保育現場の「深刻事故」対応ハンドブック」(ぎょうせい・共著)の出版と、 内閣府「教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会」の開催 [保育について]

年末年始なので(笑)、2015年を展望する前提として、2014年を振り返っています。

 私が本格的に保育事故にかかわりだしたのは、2001年(平成13年)のちびっこ園西池袋園における死亡事故と、それを受けて、児童福祉法改正のロビー活動に奔走し、前年の大和市のスマイルマム事件と併せて、2001年10月に児童福祉法改正で、認可外保育施設の届け出制、指導監督権限の法定に至ったときに遡ります。

 それ以来、ことあるごとに厚生労働省に申し入れをしたり、保育園関係者に対して「事故から学ぶ」研修を年30回ほど行ってきましたが、山が大きく動いたのは、2009年(平成21年)11月に、過去40年に報道されたり赤ちゃんの急死を考える会が相談を受けた240件の保育施設における死亡事故を公表したときですね。
 毎日新聞が大きく報道してくれて、これを受けて、国が、保育施設における死亡事故の件数も内容も把握すらしていないことが明らかになり、厚生労働省が毎年1月に前年の「保育施設における事故報告集計」を公表するようになりました。

 しかし、この「保育施設における事故報告集計」は、厚労省が地方自治体に対して、地方自治法に基づく技術的助言として、報告を「お願い」するものに過ぎず、法的な報告義務は課せられていなかったため、保育事故の報告漏れが相次ぎました。
 2013年(平成25年)10月に、読売新聞が報告漏れの事故について報道してくれたことで、厚生労働省は同年10月末日付で、地方自治体に調査を求め、平成16年4月から24年12月末までの31件を追加報告しました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000031841.html

その後、保育事故の報告を「お願い」ベースではなく、法的義務にするように、再三にわたり厚生労働省に働きかけてきましたが、子ども子育て支援新制度への移行に伴い、教育・保育施設に関してのみ、法的義務が課されることになりました。

これに先立ち、重大事故が生じた場合に、どのような事故調査をすべきかの指針とすべく、2014年6月に「保育現場の「深刻事故」対応ハンドブック」(ぎょうせい・共著)を出版しました。



保育現場の「深刻事故」対応ハンドブック



その後、 内閣府で「教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会」が設置され、上記ハンドブックの共著者であり、保育施設での死亡事故の遺族の一人である栗並えみさん、山中龍宏医師が委員に入りました。
現在、中間とりまとめが作成されたところです。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kyouiku_hoiku/pdf/chukantorimatome.pdf

今後は、事故予防ガイドラインの検討、事後的な検証のあり方についての整理に議論が移っていく予定です。

不十分なところもありますが、10年越しで保育事故の報告義務と検証制度を求めてきたことからすると、大きな前進があったと評価して良いかと思います。


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