ご家族を亡くした方へ(2)~解剖は絶対か? [人身損害賠償について]
ご家族を亡くした方へ(2)~解剖は絶対か?
■一つ前のエントリで、
今日、ご家族を亡くした方へ、ご遺体を解剖してもらうことを強くお勧めしました。
■では、解剖をせずに荼毘にふしてしまった方は、
後から疑問点が多々湧き起こってきても、泣き寝入りするしかないのでしょうか?
■必ずしも、そんなことはありません。
実際、解剖をしていないケースでも、調査の結果、
加害行為(原因行為)との因果関係の蓋然性があるケースでは、
訴訟に踏み切ることも可能です。
■例えば、
被告国との間で、死亡原因をめぐって「過労死」か「業務外」かを争った裁判では、
発症後に摘出した腸の病理検査も、死亡後の解剖もなされていませんでしたが、
今年3月、完全勝訴判決を勝ち取り、国は控訴せず、確定しました。
■例えば、
71歳の女性が急性心筋梗塞を発症し、これに対するPTCA(冠動脈形成術)に
手技ミスがあったとして病院側の過失を問うた裁判では、
解剖がなされておらず、手技ミスと死亡との因果関係が争いになりましたが、
担当医と、病院側私的鑑定医、患者側私的鑑定医の尋問を経て、
手技ミスの有責性を前提とした勝訴的和解を勝ち取りました。
■このように、具体的な事案の内容によっては、解剖をしていなくても、
亡くなった方の無念を晴らせる場合もあります。
逆に、先のエントリに記載したとおり、
死亡にいたる機序が不明のまま、立件を断念する事案もあります。
ご家族が何故亡くならなければならなかったのか、について疑問をお持ちなら、
解剖をしていないから、と直ちにあきらめるのではなく、
一度、ご相談してみてください。
2013-07-14 18:22
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